運動部は受験で不利だ。
これは、ほとんど常識のように言われている。
練習があるから勉強時間が取れない。
帰宅が遅くなる。
疲れて机に向かえない。
実際、自分自身も高校生の頃はそう思っていた。
周りを見ると、部活をやっていない人たちはすでに受験モードに入っている。
放課後はそのまま自習室に行き、夜まで勉強している。
一方で自分は、泥だらけになって練習をして、家に帰る頃にはもう夜だった。
「このままで本当に間に合うのか」
そう思わなかった運動部はいないと思う。
でも、ある時から違和感を持ち始めた。
本当に、運動部は不利なのだろうか。
もし本当に不利なら、なぜ毎年、運動部から早慶に受かる人間がいるのか。
しかも、特別な天才ではない人たちが。
ここに、ずっと引っかかっていた。
受験は、勉強時間の総量で決まる。
よく言われることだ。
確かに間違ってはいない。
ただ、それだけでは説明がつかない現象がある。
長時間勉強しているのに伸びない人。
引退後に一気に勉強時間を増やしたのに、成績が変わらない人。
逆に、限られた時間しかないのに伸びていく人。
この違いは何なのか。
自分が気づいたのは、受験で差がついているのは時間ではないということだった。
考え方だった。
多くの運動部は、「引退してから頑張ろう」と考える。
今は部活があるから仕方ない。
引退したら本気を出す。
この考え方自体が、すでに負けている。
受験は、最後に頑張った人が勝つゲームではない。
準備していた人が最後に伸びるゲームだ。
運動部が不利に見えるのは、ここに理由がある。
忙しいからではない。
「時間ができてから始める」という発想をしてしまうからだ。
これは部活では絶対にやらないことだ。
大会直前になって基礎練習を始めるチームはない。
シーズンが始まる前から準備をする。
でもなぜか、受験になると多くの人がそれを忘れてしまう。
もう一つある。
運動部は、努力の方向を間違えやすい。
練習量を増やせば上手くなるという感覚があるからだ。
だから勉強でも同じことをしてしまう。
とにかく時間を増やそうとする。
でも受験は少し違う。
努力の量よりも、順番が重要になる。
このことに気づくのが遅れると、時間をかけても結果が出ない。
ここまで読むと、「やっぱり運動部は不利じゃないか」と思うかもしれない。
でも違う。
問題は、運動部であることではない。
運動部としての強みを、受験に変換できていないことだ。
運動部は本来、
- 継続する力
- 集中する力
- 本番に合わせて準備する力
をすでに持っている。
ただ、それを勉強に使っていないだけだ。
運動部は不利ではない。
ただ、戦略がないだけだ。
ここから先は、その話をする。
なぜ運動部が本来、受験で有利になり得るのか。
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▶ 次回:第2話 「運動部が受験で有利な理由」
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